私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
『それがしていないんですよ。そこもポイントですよね。』

私は、急いで裕人に電話を掛けた。

本人は、案外直ぐに電話に出た。

「ちょっと裕人。どういう事?」

「ああ、結婚の事?ニュースで見た?そういう事だから。」

「だから!私と付き合ってるのに、結婚ってどういう事?二股かけてたの⁉」

「そうなるかなぁ。」

「そうなるかなって、どうして黙ってるの⁉」

問い詰める質問は、怒りの分だけ続く。

「いや、結婚の事。昨日の夜言おうとしたけど、恭香さん、寝ちゃったしね。」

「それはっ!……激しかったからっ!」

あんなに攻められたら、体力追いつかなくて、寝落ちするわ!

「でも、昨日。いい思いしたでしょ。最後の思い出にしちゃあ、俺頑張ったと思わない?」

「最後の思い出?」

「というわけで、これでバイバイね。」
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