私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
電話は無情にも切れた。

えっ……これで、終わり?

裕人君との付き合いが終わり?

こんなあっさり、他の女に取られるの?

なんか、魂が抜かれたように呆然としてしまった。


「どうした?浅見。」

そんな呆然としている私に、躊躇なく話しかけてくるのも、結城だ。

「……彼氏が、他の女と結婚した。」

「何⁉二股⁉しかも浅見が浮気相手⁉」

私がっ!浮気相手だった⁉

私はファンデーションで隠したキスマークに触れた。

だから、あんなに激しかったの?最後の夜だったから⁉

その計画的犯罪に、私は何も言えなかった。


「まあ……悪い男に捕まったと思って、諦めろよ。浅見だったら、直ぐにいい男が見つかるから。」

私は、ボロボロと泣き出した。

「裕人君以外に、いい男なんていないもん。」

裕人君との出会いは、運命だって信じていたのに。
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