私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした

生意気なあいつ

まさか、あんな熱い夜を過ごした翌日に、突然恋人の結婚報道。

きつ過ぎて、その日は仕事にならなかった。

「課長、営業部からこの前の企画の返事来ました。」

「返事……」

と言うことは、営業部がNOを出してきたって事?

「先方の依頼に沿ってないという事でした。」

「あれが?」

8割、いいや9割。先方の言っていた事に応えているけれど?

「どこが沿っていないって?」

「いえ、どこかは記載されてません。」

「はぁー。」

このやる気がない時に、何面倒くさい事をやってきてるの?営業部。

「あっ、見つけました。予算です。」

原田君が見つけてくれた場所を、指差しで教えてくれた。

その時、原田君の匂いがファッと香った。

何だろう、香水でもない。この心地いい匂い。
< 21 / 160 >

この作品をシェア

pagetop