私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「……原田君、いい匂いするね。」

「ああ、これ。ボディミストです。」

ボディミスト?あの小さい香りづけのボトル?

女の子が付けるものだと思っていた。

「いいわね。原田君に似合う。」

「ありがとうございます。」

そして、マジマジと予算の数字に、目が点になった。

「予算、こんなにないの?」

「みたいです。」

予算以外の事を全部望もうとすれば、予算は絶対オーバーする。

でも予算を第一に考えれば、5割は先方の希望に添えない。

どっちを取るかと言ったら、予算以外の事全てじゃない?

「先方の希望には沿っています、予算を交渉するのが、営業の仕事でしょって、返してやれば?」

「それが……もう営業部からは、予算を第一に考え、その他も先方に沿うようにと……」

「何言ってんの⁉誰が言ってんの⁉」
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