私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「はい。僕です。」

はっきりと認めるところ、カッコいいじゃない。

「いくら先方に合うようにとは言われても、あの予算では難しいわ。」

「そこを何とか、力を貸して頂けないでしょうか。」

住前君は、私に頭を下げる。

可愛らしいところもあるなんて、力になってあげたいのはやまやまだけど。

「ごめんなさいね。できないモノはできないのよ。」

すると住前君は、企画書をプリントアウトし始めた。

そして私に向かって、赤丸を付け出す。

「ここの物品、同じ物で安いのがあります。ここも、ここも。あとこの部分の予算を削って……」

どんどん、代替え案を出していく。

最終的に住前君の赤丸を採用していくと、予算にほぼ近い価格になった。

「削れない部分は、俺が交渉しますので。これで上司に確認してください。」
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