私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
上司にねぇ。

「上司って言うのは、決裁権のある人って事でいいかしら。」

「その通りです。」

「だったら私でいいわよね。」

住前君は、目をパチパチさせた。

「……えっと、浅見さんですよね。課長職なんですか?」

「ええ。私が2課の課長ですが。」

すると住前君は、はぁーっとため息をついた。

「なんだ、1課じゃないのか。」

私は目を大きく見開いた。

何ですってええええ!

「そうか。額が小さいから2課に回されたのか。うかつだったな。」

確かに、1課の結城の方が、扱う金額は大きいわよ。

でも、少額だからって2課を舐めんじゃないわよ!

「お生憎さま……」

「額が違うだけで、1課も2課も中身は一緒だよ。住前主任。」

振り返ると、結城が私の後ろに立っていた。
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