私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
お飾りって!

それを聞いた結城は、クククッと笑いを堪えている。

もう!何なのっ!

「噂通り、いい女ですね。」

「えっ……いい女ぁあ?」

「課長に昇進したら、お祝いに奢って下さい。」

「なっ!」

ちょっとちょっと!いくらイケメンだからって、軽く扱わないでよね!


結城に叶わなかった事と、住前君の生意気さに圧倒された私。

すっかり彼氏に捨てられた事なんて、忘れていた。

企画部に帰って来た私達は、意気揚々としている結城と、ぐったりしている私に視線が集まる。

「課長、結城課長の名前で承認したんですか?」

「仕方ないじゃない。結城が決めたくれたんだもの。」

「結城課長が⁉」

「完敗よ。」

私は席に着くと、新しい企画に目を通した。


新しい企画も、原田君は予算オーバーしている。

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