私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
ん?とお互い見つめ合った。

私、そんな約束した?

「あー……」

でも、あの時私にもっと力があれば、住前君にも迷惑かけなかったかも。

「……いいよ。」

「やった!」

住前君は、ガッツポーズをしている。そんなに嬉しいの?

「早速、今日なんかどうですか?」

「ああ、いいけど。」

「じゃあ、定時になったら外で待ってて下さい。」

「うん。」

住前君は、嬉しそうにオフィスに戻って行った。

何だか、可愛い。


問題は、私がオフィスに戻ってから起こった。

何だか皆が騒いでいる。

「どうしたの?」

「あっ、浅見課長。」

原田君が私の傍に寄ってきた。

「すみません。実は、企画書の予算が桁違ってたみたいで。」

「えっ?」

私は原田君のパソコンを見た。

「1,000万?ん?1,000万!」

それは1課で扱う金額では?

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