私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「本当はいくらだったの?」

「……100万です。」

「うそっ!」

100万の予算で間に合うところ、1,000万で出した?

しかも承認ボタン押してるし!私が昨日、押してるし!

「それで、何で分かったの?」

「それが……現場で説明している時に、先方が気付いたみたいで……」

「うわーっ!」

一番まずいパターンじゃん!

「ちょっと営業部に行ってくる。」

この前に続いて、2度目の登場だよ。


案の定、営業部のオフィスに入ると、住前君達が部長の前で話している。

「あれ、君は……」

営業部長も私に気付いている。

「2課の課長をしております、浅見です!この度はご迷惑をおかけして、申し訳ございません。」

先に謝った方が勝ち。素直にミスを認める。

「あっ、いや。誰でもミスはするものなんだけど、先方がミスした奴を連れて来いって言ってて……」
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