私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
そうやっていつも、私を安心させて。

私はその広い背中に、おでこをくっ付けた。

「……ごめん。」

「助けるって言っただろ。いいからオフィスに戻れ。」

結城は書類で私の頭をペシッと叩くと、住前君と一緒に営業部を出て行った。


何で結城は、私の事そんなにフォローしてくれるのだろう。

もし同期って言うだけの理由だったら、神様に感謝しなきゃ。


「あのー……」

落ち込んでいる私に、営業部長が顔を覗かせる。

「もしかして、未来の社長夫人?」

「ち、違います!」

私は否定しながら、営業部を後にした。


オフィスに戻って、原田君に結城と住前君が、謝りに行ってくれた事を伝えると、泣いて謝ってきた。

「それにしても、結城課長様様ですね。」

「本当。」
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