私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「結城……帰って来たんだ。」

「一応な。」

起き上がろうとすると、私の肩にジャケットが掛けられていた。

見ると男性物だ。

「これ……」

「ああ……」

結城は私からジャケットを取ると、自分の肩に羽織った。

「……結城の上着?」

「誰かさんが気持ちよさそうに眠ってるから、掛けてやったんだろう。」

結城は疲れたように、欠伸をした。

時計を見ると8時になっていた。いつ帰って来たんだろう。

結城のジャケットの温もりが、肩からはがれない。

「ところで、住前君は?」

「部長に報告してから帰るって言っていた。」

「えっ!」

私は驚いて立ち上がった。

住前君、もう帰った?やらかした。こんな迷惑かけて。ご飯奢るタイミングばっちりだったのに。
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