私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「ありがとうございます!」

そして住前君も、普通に注文するし。

これじゃあ、私の立場がない。

「住前はどうして営業部を希望したの?」

「やっぱりストレートに、お客さん相手にしたかったからですかね。」

その時、私の隣に座っていた住前君の手が、私の手と重なった。

払えない。久しぶりに感じる手の温もり。

「どこまで行く気?」

「行けるとこまでですよ。」

「狙うは社長?」

「はははっ!結城さんが言うんですか!未来の社長である結城さんが。」

住前君は手を放さない。これは計画的に手を重ねている。

「俺は御曹司だからと言って、絶対に社長になれるとは思っていないよ。」

私は目が点になった。

「そうなの?」

企画部に来たのも、楽して社長になる為だと思ってた。
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