私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「どこがいい?」

住前君に聞かれ、見上げたらそこはラブホ街だった。

「ええっと……」

あれ?私達、今結婚決めたんじゃなかった?

なのに、初めてのセックスがラブホ?

「あっ、ここ安いよ。2時間2980円だって。」

……2時間。なにその、セックスだけしよう的な時間の配分。

「さあ。恭香。」

でも、私の王子様が手を差し伸べてくれている。

私がその手を掴もうとした時だ。


「待て。」

結城が住前君の手を下に下げた。

「住前。年上の女で遊ぶのは止めろ。」

「いや、遊びじゃないですよ。」

「そう言えば、女はみんなホテルに連れ込めると思ったか?」

住前君は結城を見て、うーんと頷く。

「結城課長、もしかして恭香さんの事、好きなんですか?」

「馬鹿な事を言ってないで。さっさと帰れ。」
< 47 / 160 >

この作品をシェア

pagetop