私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
私は、惨めになった。

「そりゃあ、相手が部下でもホテルに行く時だってあるわよ。」

「ああ?」

結城が珍しく不機嫌だ。

「……プロポーズされたのよ。」

「プロポーズ⁉」

そうよ。俺を選んでって。仕事と家庭両立できるようにって。支えますからって、言ってたのに。

「結婚しようとでも、言われたのか?」

「そうよ。」

「現実見ろよ。何でおまえと結婚しようとしてる奴が、こんなっ!2時間2980円のラブホを選ぶんだよ!」

「値段じゃないわよ!」

目から涙が零れた。

「気持ちだよ。」

悔しい。私だって悔しい。本当は、高級レストランでひざまづいてプロポーズしてほしかった。

指輪だって、貰いたかったし。

その後、有名ホテルで一晩中イチャイチャしたかった。
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