私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
あのプロフィール画像と同じ短髪の紳士。

相手も私を探しているようで、辺りを探している。

「あの……」

私が手を挙げると、視線が合った。そして近づいてくるイケオジ。

「浅見さんですか?」

「はい。」

「池崎厚朝と言います。宜しくお願い致します。」

こんな一回り下の私に、こんな丁寧な挨拶。

「浅見恭香です。こちらこそよろしくお願いします。」

私は池崎さんを、向いの席に座らせた。

足を組んで座る姿は、余裕さえ感じる。

「不躾ながら、男性の方とは結構お会いになるんですか?」

「いえ。サイトに登録したばかりなので、池崎さんが初めてです。」

「そうなんですか。それは嬉しいな。」

クシャっとした笑顔、素敵!

それから私は、池崎さんとどんな会話をしたのか、正直覚えていない。
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