私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
結城はすんなり私の家の中に入ってくる。

寝室に行くと、結城は横になった私に布団をかけてくれた。

「今はゆっくり休め。仕事は俺がやっておくから。」

そして帰ろうとする結城の腕を掴んでしまった。

「……もう少し傍にいて。」

結城が私を優しく見つめるのが分かった。


「俺でいいのか?」

「うん。」

「昨日のイケオジとは、上手くいってるんじゃないのか?」

池崎さんの名前を言われた瞬間、胸がズキッした。

「私、女として魅力がないみたい。」

「なんだそれ。」

「昨日の夜、私達……最後までできなかった。」

「えっ……」

「途中で池崎さん、できなくなって。それっきり。」

結城が敢えて黙ってくれている。

「私、女として終わってるのかな。」

顔を枕に埋めた瞬間、結城が私に覆いかぶさった。
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