私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした

今更あいつと

翌日は有給で休んだ。

― 俺が結婚するから -

結城のあの言葉を思い出す度に、体に微熱がこもる。

「こんな状態で、どうやって仕事するのよ。」

私は微熱を持て余して、ベットで何度も寝返りを打った。


池崎さんからの連絡は、途絶えた。

たぶん相手も、私とでは体の相性が合わないのを、知っているのだと思う。

あんなに意気投合したのに、結果はこんなものだ。


「どうしよう。映画でも見に行こうかな。」

今日平日だし、午後早い時間だったら、映画一人で行ってもおかしくないかも。

その時、スマホが鳴った。

「えっ?結城から?」

昨日の今日で、あいつと会話するなんて。

結局電話に出れないまま、コール音は終わってしまった。

すると、今度はメールがきた。
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