私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
【寝てるか。】

短い文章。そう言えば私が休みって事は、あいつが2課も見ているのだろうか。

あいつには、また迷惑かけた。

このまま無視するのは、失礼な気がした。

【寝てない。それこそ、今日は休んでごめん。】

返事は電話でやってきた。

「結城?」

「浅見。仕事なら気にするな。ゆっくり休め。」

「うん。」

あっ、この間。心地いいな。

「今からは何してるんだ?」

「ああ、申し訳ないけれど……映画でも見に行こうと思って。」

「映画?ちょっと待ってろ。俺も行くから。」

そこで電話は切れた。

「えっ?」

どういう事?俺も行くから?待ってろと言われても、あなた、今仕事中だよね。

頭の中にクエスチョンマークが飛ぶ。

何が何だか分からない。いつまで待てばいいのだろう。
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