私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「頂きます。」

床にあぐらをかいて、スプーンを持ち、豪快にチャーハンを食べる。

シャツのボタンを一つ外した結城は、色気さえ漂っていた。

「うん、美味い。」

「ありがとう。」

男性に料理を作るのは、いつ振りだろう。

思わず食べてる姿を見てしまう私に、結城が気付く。

「ん?」

「ううん。チャーハンでよかった?」

「うん。俺、米好きだし。」

確かにチャーハン、美味しそうに食べている。

「あー、食った食った。ご馳走様でした。」

結城はちょこっと、頭を下げた。

その姿が微笑ましくて、首の後ろがこそばゆくなった。


「そう言えば、映画見るんだろう。」

「ああ……」

そんな話、してたもんね。

「何見る?今、何やってるのかな。映画。」

まるで前から付き合ってるような話しぶり。
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