私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
アラフォーになって、花柄のスカートはきつかったかな。

「……似合う。」

そして結城は、私の耳元で囁いた。

「キレイだよ。」

カァーっと顔が熱くなった。

「はい、どうぞ。」

そして助手席のドアを開けてくれる結城が、王子様に見えて仕方なかった。

「ありがと。」

助手席に乗ると、ドアまで閉めてくれる。

結城って、女に対していつもこんな事やってるの?

それはそれで、逆にすごいけれど。

車に乗った結城は、シートベルトを締めると、車を動かした。

「映画行く前に、家に帰って着替えていい?」

「いいよ。」

まさか休み取ってくれたのに、スーツで過ごせだなんて言えないもんね。

そしてこの前も思ったけれど、結城の運転はとても優しい。
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