私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「結城って、運転が丁寧ね。いつもなの?」

「いや。今日はおまえを乗せてるから。」

「えっ……」

「大事な女乗せてて、危ない目には遭わせませんよ。」

大事な女。胸のトクントクンという音が聞こえてくる。

「いつから?」

結城、どうしてそんなに私の事、大切にしてくれるの?

「いつから、私の事。そんな目で見てたの?」

私は少なくても、結城の事同期だとしか思ってなかったよ。

その時、車が停まった。

「車の中で待ってて。」

そう言うと結城は、車から降りて家に行ってしまった。


返事は聞けないまま。いつから私を特別に見てたのか、わからないまま。


しばらくして、運転席のドアが開いた。

結城が戻ってきたのだ。

「ううん。」

そして結城を見て、胸がキュンとした。
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