私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
映画館に行くと、案外席は埋まっていた。

結構ガラガラだと思っていたのに。

おかげで結城と隣同士に座っても、違和感がない。

ちなみに映画のチケットも、ポップコーンもコーラも。結城が奢ってくれた。

私も出すと言っているのに、いいと言って。


そして映画が始まる前に、スマホの電源をOFFにしようとしていた時だ。

スマホにメールが来てたらしい。

「ああ、会社からだ。」

そう言って結城は、席を立ち一旦ホールを抜け出して行った。

「あの人、カッコいいね。」

「一人かな。あとで声掛けてみようか。」

近くにいた女の子達が、結城を見てはしゃいでる。

他の女の子から見ても、結城はカッコいいと思う。

どうして私なんかと、結婚しようと思ったのだろうか。
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