私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「分かった。」

結城はにっこりと笑ってくれた。

「今は、恭香の気持ちを尊重するよ。」

私はほっとした。

「ありがとう。」

そして私たちは、映画館を後にした。


駐車場に行くと、結城の車で待っている人がいた。

「親父?」

振りむいた人は、結城を見ると近づいてきた。

「なんだ、元気そうじゃないか。」

「ああ……おかげさまで。」

結城が戸惑っているという事は、突然の訪問?

「どうした?俺が実家に行くって、言ったじゃないか。」

「おまえがな。午後休み取ったと聞いて、飛んで来たんじゃないか。」

するとお父さんは、私をちらっと見た。

「初めまして。柊真さんの同僚です。企画部第2課の課長をしております、浅見恭香と申します。」

「2課の課長?」
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