私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
お父さんは驚いている。

「柊真の同期の奴か。」

「はい。」

何だかお父さん、私が会社の人間だと知って、厳しい目で見ているような。

「仕事を休んで、同僚と仲良く映画か。とんだ同期だな。」

「話って、その話かよ。」

「そうだ。今仕事をほったらかして、映画を楽しんでる時か?」

「なんだよ、それ。」

「おまえ、もう40だろう。部長になれ。」

「まだ早いって。」

「早いものか。俺は45歳で社長になっていた。」

確か、創業者ってお爺様だよね。そんな早く2代目に社長職を譲ったの?

「だから、早く結婚しろと言っているんだ。この前の結婚の話、進めるぞ。」

「待って下さい。」

結城はお父さんの腕を掴んだ。

「僕はその人とは結婚しません。」
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