私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
結城の唇が、私の首元を這う。

肌が重なり、温もりを分かち合う。

「はぁっ……結城……」

手が重なる。

「名前で呼んで。柊真って。」

「……柊真っ!」

唇が、舌が絡まって、柊真の指が私の肌に吸い付く。

「恭香、もういい?」

胸がぎゅっとなる。

私、柊真の欲情を、受け止められるの?

「恭香。何も考えないで。」

「だって……」

「俺は、性欲で恭香を抱くんじゃない。心を一つにしたいんだ。」

耳元に響く甘い声。

「好きなんだ。恭香以外の女なんて、興味ない。」

私は柊真の体をぎゅっと抱きしめた。

「柊真。私……ずっと、愛って何だろうって考えてた。」

「うん。その答え出た?」

「今、出た。柊真が……」

私は柊真の頬を、手で覆った。

「……愛を教えてくれたの。」
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