風に晒すマニ車
ふと、感じる違和感

風は、確かに吹きつけるのに・・・そこに、あの独特の乾いた土の匂いがしない。

枯れはて地面を這う様な草も確かに吹きつける風に揺れ、黄色い砂埃も舞っているのに、その、音が聴こえ無い。

その、とてつもない違和感・・・。

どうして!?

夢・・・!?

目の前に世界が在るのに・・・その感触は在るのに、聴覚と嗅覚が<存在>為ない。

そう気づいたのは、無意識に、たった一つの目的地であるかの様な、あの旗のなびく丘に向かって歩き出してから。

靴越しに(気づくと何故か制服にお気に入りのスニーカーを身に付けていた。)感じる、ゴツゴツした石の感触。確かに踏みしめているのに、そこから、音が聴こえない!?

(痛い・・・!?)

ツネってみた体の感触は在るのに・・・強い風は、確かに、私の髪をなびかせているのに、

そこに熱さも寒さも、湿気さえも感じられない・・・。


何これ!? 気持ち悪い

気持ち、悪い。

気持ち悪い!!
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