ひとめぼれ
ほとんど一目惚れだった。
なんの前触れもなく、ふいに強烈な突風に吹かれたように、恋に落ちた。
神様はどれくらいいじわるな人なんだと、思った。
生まれて初めての、本気の恋だった。
こんなにも人のことを思うのは、初めてだった。
いつも彼のことばかり考えていて、
彼のことなら何分でも、何時間でも眺めていて
飽きなかった。
本当に、本当に、大好きだ。
でも、好きになってはいけない人だった。
どうして好きになっちゃいけないんだろう。
わかっているのに、諦めきれない。
生まれて初めての、どうしようもない"好き"だった。
この想いを伝えたいのに、伝えられない。
どうせ伝えても…
ねぇ、どうして私じゃだめなの?
どうして?
私はこんなにも本気で、本気であなたのことを想っているのに。