弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
意気込んでたのに、ぎゅっとスマホを持つ手にも力が入ってたのにかぁーって全身が熱くなったから。

口が開いたまま固まっちゃう…!

「彼氏、でしょ?」

「………そうでふ」

「あ、噛んだ!」

電話越しでくすくす笑ってる、私が顔を真っ赤にしてる電話の向こうで…

お風呂入ったのに汗かくから!私が!!

「ありがとう、瑠璃」

「……。」

「ずっといるよ」

電話だからかな、聞いたことのない声みたい。

電話っていつもの声と少し違って聞こえる。

「だって瑠璃といたいもん」

真白はすごいなぁ、私はそんな真っ直ぐ言えないよ。

言われてだけではずかしくなっちゃうもん。

私も、って言うことさえできないのに。

「じゃ、寝るわ」

「うん、…あ!聞こうと思ってたんだけど真白の好きな食べ物って何?」

「え、今?うーん…、クロワッサン」

「カレーでもハンバーグでもないじゃん!」
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