弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「出来た!初めてにしては上手くない!?」


……。


…うん?


「瑠璃、どう?」

「あ、ありがとういい感じ!」

手で触って結んでくれたポニーテールを確認する、ちょっと上めで結んでくれた。

ふいっと後ろを向いたらもう真白はいなくてクロワッサンを開封してた。


……うん。


…え?


「瑠璃?やっぱ変だった?結び直す?」

「え、ううん!全然いいよ上手だよ!」


じゃなくて!!!


やばい、私…


後ろから抱き着かれたらどうしようって思いながらそうなること期待してた。 

きっと真白はそうしてくれるんだって思い込んでた。


え、恥ずかしい…!!!


ぶわーって顔が赤くなる。


何考えてたの!?

何そんなこと…っ


「瑠璃?」

「あ!作ろっかクロワッサン、これアレンジとかもできるみたいでっ」

スッと手を伸ばした。

開けた袋からクロワッサンを取ろうとした手を遮るように真白が掴んだ。

「何か期待してた?瑠璃ねーちゃん」

「!?」

ぎゅっと握られて、クロワッサンどころじゃなくて。

せっかく落ち着かせようと思ったのに、今のでさらにボンッと熱が上がった。

覆いかぶされた手から伝わる温度は急上昇する。


「何期待してたの?」


そのまま握られた手は真白の口元まで、なぜか目で追っちゃってドキドキと心臓が大きく音を出してうるさい。


「別に、何もっ」

「でもここ家だからねぇ」

くすって笑われた。


「いつ母さん帰って来るかわかんないもんね?」


な…っ、何言ってるのもう…!!?
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