弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「はい!じゃあクロワッサン焼こう!」

パッと急に離された手、離してほしかったようなそうでもないような…

ニッて笑われたから余計恥ずかしくなった、思考回路を読まれたみたいで。


なんでそんな普通の顔してるの?

私はずーっとドキドキしてるのに。


本当はすっごいすっごい期待してたし、掴まれた手だって緊張しちゃったけど嬉しかったし、離さないでほしかったし…


「ねぇアレンジって何するの?」

「あ、それはね…焼いたクロワッサンに切り目を入れてそこにチョコとかチーズとか入れてちょっと温めると焼き立てクロワッサンサンドになるの!」

「めっちゃおいしそう…!」

今日学校で考えてた、クロワッサンに何を挟んだらおいしくなるかなって。

「ね、ツナとかたまごとかもありじゃない!?」

「めっちゃあり!昨日母さんが作ってたローストビーフも入れよ、絶対美味い!!」

「超あり!!!」

真白がグッと親指を立てたから、マネして同じように親指を立てた。


目を合わせて笑い合って。

何になりたいとか何をしたいとかそんなのまだわかんないけど、この先も真白といられたらいいなぁ。



こんなふうに、これからも真白と一緒に…

いられるよね?

ずっと…
< 107 / 136 >

この作品をシェア

pagetop