弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。

Life5.)

あれから真白とは少しだけ気まずい。 

真白は普通に話してくれるけど、私の方が上手く話せなくて思春期の姉弟(きょうだい)みたいだ。



「瑠璃、真白くん大丈夫だった?」

「え…?」

次の授業の準備をしようと、机の中から教科書を取り出そうとした時紗矢に話しかけられた。後ろの席の紗矢はわざわざ回って私の前まで来て、俯く私に呼びかけた。

「こないだ!三者面談がどーのって言ってたじゃん?あれどうだったの?」

「あー…」

そうだ、あの時紗矢もいたけどテンパっちゃって先帰るってそれだけ言って走り出しちゃったもんなぁ…

「…、ごめんあの日すぐ帰っちゃって」

「いや、私はいいけど真白くんはよかったのかなーって気になっただけだから」

「うん、三者面談は…どうにかなった!」

顔を上げると眉を下げた紗矢が覗き込むように見ていて、次の日だって聞くことはできたはずなのに言わなかったことを考えるとずっと気にしててくれたんだろうなぁ。
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