弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
一瞬こっちを向いた真白だったけど、またすぐに前を向いてしまった。

ぼぉーっと何をするわけでもなく、どこを眺めてるのかな…

カラカラカラと窓を開ける、もう少し。  

「真白…」

まだ真白の気持ちを聞いてなかった。  

真白がどうしたいのか聞いてなくて、そんなの聞かなくてもわかってるって思ってたから。 

私は真白のお姉ちゃんで真白は私の弟だから、わかってるって思ってたの。

「ん、何?」

振り返る、微笑んだようにいつもと変わらない顔をして。

「どうしたの?エアコンついてるから窓閉めないと意味ないよ」


真白は本当はどうしたいんだろう?


聞くのは少し怖かった。

また真白がどこかへ行っちゃったらどうしようって、そう思うと怖くて聞けなかった。


でもね、そんなことやっぱり聞かなくてもいいやって思っちゃったんだ。


真白の顔を見たら。
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