弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「嫌なら行かなくていいんだよ…!」

少しだけ目を見開いた真白だったけど、ピクッと眉を動かすだけで変わらない表情を見せた。

「…何言ってるの?俺そんなこと」

「私お姉ちゃんだからっ」

ぐっとグーにした手に力を込める。

震えちゃいそうになる体を必死に抑えて。

「言われなくてもわかるの!真白がどう思ってるのか、どうしたいのか…わかるの!」

「それは言い過ぎでしょ、人のことなんてわかんないよ?俺がどう思ってるかなんてっ」

「じゃあ寂しそうな顔しないでよ!」


なんで笑いたくもない顔で笑うの?

笑いたくないんでしょ!


そんな時は笑わなくていいの、だから全部吐き出してよ…!


「…っ」

顔をゆがませる、視線を落として伏せるようにして。

「俺、そんな顔してた?」

左手で顔を隠すように抑えた。

その手は少し震えてるみたいに見えた。
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