弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「だから…っ」

息を吸ったらぐわっと瞳に感情が流れ込んで来た。

わ、やばい。

なんか声が詰まりそうになる。


「もう真白と離れたくないよ…っ」


もっとお姉ちゃんらしくカッコよく言おうって思ってたのに。


「1人で泣かないで…、寂しいなら言って!我慢しないで!」


真白の胸に飛び込むように、もう一度。

背中に回した手を抱き寄せて。


「私真白のそば離れないからっ、ずっといるから…!」


真白の胸の中に顔を埋めて。


なんで私のが泣いちゃってるのかな、きっと泣きたいのは真白の方なのに。


でも止められなくて。

ポロポロ溢れる涙が熱くて痛い。


抱きしめてくれない真白の手が淋しい。


「行きたくないなら行かないでいいよ…」


“だって瑠璃といたいもん”

私に聞かせてくれた唯一の言葉だった。


あの言葉は、真白の気持ちだったんじゃないの?


「行かなくていいんだよ…っ!」


寂しいって言うのは悪いことじゃない。

でも言えなかったんだよね、きっと真白はいっぱい我慢して来たから…


お父さんとの暮らしはきっとそうだったと思うんだ。


だからもう、いいんだよ。

わがまま言って。


それを聞かせて。

だって私は真白のお姉ちゃんだから。

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