弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「お母さん」

ピンッと背筋を伸ばす、お母さんを見つめて。

「もう一度一緒に暮らしたい、真白は私の弟だから」


もう大丈夫、もう泣かない。

真白が手を握っていてくれるから。


「お母さんは違うの?」

同じ気持ちだと思ってたよ、あの日々はお母さんには残ってないの?


お母さんにとって真白はー… 


俯いたお母さんがはぁっと息を吐いた。

重くてずっしりした息に空気が変わる。

「瑠璃…」


な、何を言われるのかな。

やっぱりダメだって怒られる…!?


どれだけ言っても全然伝わらないの…


「真白はね、本当の弟じゃないの」


「…。」


「……。」


しーんと一瞬何の音も聞こえなくなった。

テレビもつけてないしね、朝の食卓だもんこんなもの…


「…………え?」


ん?なんて言った?

眉間にしわが大集合しちゃってるんだけど。

「まだ小さかったもんね、いいかと思ってお母さんちゃんと説明してなかったよねごめんね」

「え…、うん?」

なんで急にそんな話になるの?

今そんな話じゃなくない??
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