弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「お父さんとは再婚で真白はその連れ子だったの、真白は知ってたから。でも瑠璃には…ショック受けるかなぁと思って言ってなかったの」


…あ!


そーいえば言われてない!!

お母さんからは言われてない、勝手に手紙読んで知っただけだから…!

「ごめんなさい」

「え、いや…それはいいんだけど」

お母さんが頭を下げる、でも今したい話はそれじゃないっていうかなんていうか。

「…だからね」

ゆっくり顔を上げたお母さんが申し訳なさそうに口を開く。

「瑠璃がそんなふうに思ってること気付けなかった。そうだよね、弟だけどこか行っちゃうなんて悲しいよねごめんね」

「……。」

「瑠璃に悲しい思いさせたくなくて言えなかった」

「お母さん…」

少しだけ瞳を潤ませて。

「だけど、このまま何も言わないなんてお母さんずるいね」

お母さんの弱々しい声が、グッと胸に押し寄せる。

「本当にごめんなさい」

お母さんにも抱えて来たものがあるよね、それは私より遥かに大きいものかもしれない。

お母さんはいつも笑っていたから。 

「真白…」

潤んだ瞳のまま真白の方を見て。

「真白も、ごめんね」

声を震わせた。
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