弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「真白は、私にとって家族…だったわ」

震える声で話しながら、真白を見つめていた。

「青治さんだって、あの頃はみんな家族だったのよ」

潤んだ瞳でちゃんと見れていたのかはわからないけど。

「だけど、離れてしまって変わったものもあるって思っていたのよね」

それは少しだけ微笑んでるようにも見えて。

「ここは真白にとって居心地が悪いんじゃないかなぁって…思ってたの」

次の瞬間、お母さんの顔がくしゃっと歪んだ。

「家族じゃないって…思ってるかもしれないないって、…思ったの」

お母さんの瞳からポロッと涙がこぼれる。

「親の都合で一緒になったり引き離されたりうんざりしてるかなって、嫌々ここに来たのなぁって…」

一気に溢れ出た涙、必死に振り絞るように声を出した。

「真白をここへ呼んだのも私の勝手で私が連れて来たから…っ、そんなこと考えたらねお母さんちょっと怖くなっちゃって…」

気付いたら私の瞳からも涙が溢れていて、握った真白の手にこぼれ落ちた。

「でも違ったのかなぁ…」

お母さんが涙を拭いた、上を向いて涙がこぼれないようにして。

「また自分勝手に子供を傷付けるところだった」

すぅっと息を吸って深呼吸する、一度瞬きをして真っ直ぐ真白の方を見て微笑みかける。

「真白、こんなお母さんだけどまた家族になってくれる?」

「母さん…」
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