弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
パクッとアイスをかじる。

まだ洗濯機は終わりそうにない。

「アイスおいしそうだね、ちょっとちょーだい」

「おいしいよ、まだ冷蔵にあるっ」 

隣を向いて、教えてあげようと思った。

でもその瞬間、視界は真っ暗で真白さえ見えなくて。



―…っ 



唇に触れる感触しかわからなかった。

奪われるように触れた唇しか。


「ほんとだ、チョコレートおいし」

ペロッと下をなめる真白はニィと笑って。

「な、何してんの!?」

「え、アイスもらおうと思って?」

「はぁ!?だからお母さんっ」

「え?お母さんがなぁに?」

ひょこっと顔を出してやって来た。

「洗濯まだ終わらない?」


お、お母さん…!!!


見てた!?

今の見てた!?


え、やばくない…!?


「まだだよ~!終わったら持ってくね!」

「そう?じゃあよろしくね、真白」

「うん、任せて!」

「……。」


何が任せてなの?

絶対任せちゃダメだよお母さん!!!


脱衣所から駆けて行かないでっ 


でも…


「どうする?まだ大丈夫っぽけど?」

くすっと笑いながら真白が私を見るから。

「アイス、もう少しあげてもいいよ」

顔を上げて、真白と見つめ合って。



もう少しだけ、このままで。


ドキドキと胸が鳴り出して、想いがいっぱい溢れて来るの。


弟であり、彼氏の、真白といるとドキドキが溢れて止まらない。




これからもきっと、溢れ続けるよ。
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