弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「うちの妹のクラスに転校して来たんだって」

ストローでちゅーっとパックのりんごジュースを飲みながらうんって頷いた。
廊下側の席は風通しがよくって、紗矢の前髪が揺れている。

「あぁ、乃愛(のあ)ちゃん?」

「うん、めっちゃ喜んでたよビジュ最高って」

ほらってスマホの画面を見せられた。
LINEの文面からも乃愛ちゃんのうはうは度合が伝わって来た。

お姉ちゃんに喜びLINEするって相当…

てゆーか乃愛ちゃんと真白同じクラスなんだ。それはよかったかも、乃愛ちゃんとは私も何回か話したことあるし。

「でもこれだけ乃愛が興奮したLINE送って来るとちょっと気になるよね、どんな子か」

「……。」

「瑠璃気にならない?」

「え、私は…」

それ知ってる人だからなぁ…

気になるも何もだって…


あ、やば!朝のこと思い出しちゃう!


「あ、瑠璃ねーちゃんいた」

「!?」

ひとくちかじった玉子サンドが口から出て来るかと思った。

「何組か聞いてなかったからどうしようかと思ったけどすぐ見付かってよかった~」

ひょこっと廊下側の窓から覗き込んで、2年1組の教室にやって来た。

「真白!?」

立ち上がった私の後ろでザワッと教室がどよめいた。

見えてないけどたぶん、一斉に注目した気がする。

だって前の座る紗矢がすごい目を見開いたから。
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