弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「ほら、できたよ」

はいっとシャツを真白に返した。

朝のちょっとした時間だから完璧とまでは言えないけどさっきより全然マシになったから。

「瑠璃ねーちゃん、意外とちゃんとしてるんだね」

「意外って何!?」

アイロンマットを畳んで、アイロンはまだ熱いからそのまま置いておけばいいか。
とりあえずコンセントを抜いて隅っこに置いておこう。

「大事なの、こーゆうとこ…」

「ん?」

「母子家庭だからっていろいろ言われたくないじゃん」

些細なことかもしれないけど、お母さんが1人でがんばってくてれるんだ私だって何かしなきゃ。

偏見持たれたくないもん、…偏見?とはちょっと違うかな?難しい漢字はわかんないけど!そんな感じ。

「…だから髪の毛も気合い入れてんだ」

「え?何か言った?」

「ううん、なんでも!ありがとう、瑠璃ねーちゃん!」
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