弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
それでも、寂しかった。


いつも私のあとをついて来た真白が、振り返ったらもういることはなくて…

寂しかった。


「もう8年だもんね…」

フォークで刺した最後のフレンチトーストを口に入れる。牛乳で流し込むように一気にぐーっと飲み干した。

「ぷはぁっ」

きゅっと口を拭いてコップを置いた。

イスに背中を預けてそのまま天井を見る。

「また真白と暮らす日が来るなんて思わなかったなぁ」


8年後、また真白に会えるなんて思ってなかったよ。

もう会うことはないって思ってた。


ふぅっと息を吐いて体を起こして、食べ終わったお皿とコップを持って立ち上がる。

真白が来る前に片付けて着替えないと、あと髪の毛もどうにかしないと…

てゆーか8年も前なのに顔わかるかな?

変わったりするよね??

「…写真ってあったっけ?」
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