弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「あれ、真白帰って来るの早くない…?」

学校から帰って来ると、もうキッチンで夕飯の支度をしていた。

「今日は瑠璃ねーちゃんと夕飯食べようと思って」

「すごいいい匂いする…」

匂いに誘われるようにキチンの方へ、真白が料理する前に立って覗き込む。

手際がよくてほんと上手なんだよね、私もこれくらいできたらなぁ。

「瑠璃ねーちゃん明太子好き?パスタにしようかと思って」

「うん、好き」

「え、誰のことが?」

「!?」

人差し指で自分の頬をつんっと刺して、にこっとわざとらしく微笑んで私の反応を見た。

「明太子が!」

見られる前から顔が赤くなっちゃって、無駄に大きな声が出ちゃったし。

「もうすぐ出来るから着替えて来てよ、一緒に食べよ」

なのに真白は普通に笑うんだもん、あたりまえのように笑うから…

むぎゅっと口をへの字にして、少し見上げれば私を見て微笑む真白がいて。


“ドキドキさせてんの”

してるよ。

もうずっとしてる。

もうこれ以上させないでよ。

どうしたらいいかわかんなくなるから。

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