弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「紗矢そろそろ始まるよ」

「あ、本当だ!じゃあ行って来るね!瑠璃も受付がんばって!」

「うん、ありがとう!」

紗矢が教室から慌しく出て行く、もう誰もいなくなっちゃった1人の教室はいつになく静かで。

外部から来るって言っても、この時間ほぼほぼみんな体育館で1年生の合唱見てると思うんだよね。

だから受付係はある意味スポットで、合法にサボれると言えばサボれる係だったりする。

窓を開けて顔を出す、頬杖をついて遠くを見つめて。
ひゅーっと入って来る風が気持ちいい。

「…ここからじゃ何も聞こえないか」

ただ見なくてもいい理由がほしかった。

見たくなかった。

見られないと思った。

「体育館で泣くわけにはいかないじゃん…」

そんな顔、見せられないよ。
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