弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
ダメなのにそんなこと言ったら、いくら血が繋がってなくてもダメなんだよ。 

そんなこと思っちゃいけないの。


だってお父さんは、家族だと思って真白を預けたんだよ。


「瑠璃ねーちゃん…」 

ポロポロ溢れる涙は止まらなくて、何度拭いてもまた溢れて来る。

泣いちゃダメ、今から3秒数えるから…

3秒数えたら顔を上げて、これで終わりって笑うんだ。


きっとお父さんが見てるから、真白のこと。


お父さんに心配かけたくないよね。

私にとってもお父さんなんだもん。


だから3秒数えて。


1、

2、

…っ


「!」


3秒数え終わる前に視界が明るくなった、真白が目を覆っていた私の手を掴んだから。

涙でびしゃびしゃに濡れた手をぎゅっと握る。

「なんで好きって言っちゃダメなの?」

「なんでって…っ」

「なんで好きって言ってくれないの?」

さらに掴んだ真白の手が強くなる、簡単には離してくれなくてグッと引き寄せられる。


「俺は好きだよ、瑠璃ねーちゃんのこと」


ドキッ、って胸の奥から疼き出した。

一気に加速して体中に巡っていく。


「好きだった、ずっと…」


もうぐちゃぐちゃだよ、全部…!


「だっ、だって!弟じゃんっ、真白は弟でしょ!?好きとかそーゆう…っ」

「弟じゃない」
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