弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
トンッと人差し指で自分のぷっくりとした涙袋をさして首を傾ける。

真白はよくコテンって首を傾けるから、その分顔と顔の距離が近くなるんだけどてゆーか待って今なんて言った!?

「寝不足?」

「寝不足!」

昨日のこと、思い出したら全然眠れなくて無理矢理寝ようとしても逆効果で冴えて行くばかりで…

「な、名前で呼ばないでよ」

「え、何が?」

「とぼけないで!さっき瑠璃って言ったでしょ!」

「え、言ったかなぁ??」

「もう!!」

コンッて隣を歩く真白を小突く、そしたらそのまま手を掴まれた。
 
「え?」

引っ張られるようにマンションの外へ、歩き出した真白に連れられて学校へ…

「待って!これはこれはダメじゃない!?」

絡まったように繋がれた手はどこからどう見ても…

「手繋いだらダメなの?」

「ダメだよ!私たち姉弟(きょうだい)なの、他人から見たら姉と弟だよ!?」

「でも昔はよく繋いでたじゃん」

「いくつの話!?」

朝から心臓に悪いことしないでほしい、誰に見られてるかわからないのに。 

「……。」

「何?」

「なんでもない!」
 
繋いだ手から溢れちゃってるのが悔しいくらい。

隣でいじらしく笑ってる真白が、私をドキドキさせるから。
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