弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「私、お父さんに怒られないかな?」

「え、何を?」

乾かしてもらってブラッシングは自分でやった。

これを言うのもあれだけど、このくしもそこそこ高いから梳かしただけでサラサラだから。

ドライヤーを戻しに来た真白と一緒に洗面所まで、鏡があった方がやりやすいしいろんなもの揃ってるし。

「すっごい不安なんだけど…」

「え、だから何が?何の話??」

「……。」

目を細めながらじぃっと真白の顔を見ても本当に何もわかってないのか大きな瞳をくりっとさせてた。

こっちからしたらなんでわかんないのがわかんないのって感じだけど。

「お父さん…、真白のこと心配してるよ。大事な1人息子なのに、なんかこう…傷ものにしてしまって」

「それこっちのセリフじゃない?てゆーか傷ものにはされてないけどね、あとしたつもりもないし」

「まぁそれは冗談にしてもさ」

「冗談なんかぃ」

お父さんだってこんなことは考えてなかったと思うんだよね、もう昔の記憶だけど私にも優しかったしよくしてくれたし紛れもなく“お父さん”だったから。

だからお母さんを頼って信用して、真白をここに…


それなのに。

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