弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
2人用の小さいソファーだけど、真白の左隣にはもう1人入れそうなくらいスペースができた。

私の方はぎゅうぎゅうだけど。

膝を立てて座る私の隣、ピタッとくっついてこてんっと頭を私の肩に預けた。

「…真白くんは、みんなをまとめるのが上手くてクラスの中心でいつも盛り上げてるって」

「何?」

「紗矢が言ってたよ。あ、正確には乃愛ちゃんだけど」

料理はできるし、ずっとお父さんを支えてたんだからしっかりしてるところはもちろんあると思うんだけど…

チラッと隣を見ればきゅるんとした大きな瞳がとろんっとして眠そうなのかなって思っちゃう。

「ねぇ暑くない?扇風機つけて」

「真白がくっついて来るからでしょ!」

「ん~、だって動きたくないもーん」

だらーっと手を伸ばしてさらに体重を私に預けて、私の背中とソファーの間に手を入れて腕を回して入り込んでくる。

「…真白って血液型何だっけ?」

「AB」

「あ、納得」

「何が?」

「学校じゃ人が違うんだろうなって」

ぎゅって背中に入り込んでくるからソファーから体を離さなきゃいけなくなって、しょうがないから扇風機を取ってあげようかなって立ち上がろうと思った。

「わっ」

でもすぐに引き戻された。

ソファーの上、真白の腕の中、後ろから抱きしめられるみたいに。

「そりゃ(ここ)は好きな子いるからじゃん?」

耳元にふぅって息がかかる、全身には真白の体温を感じて。
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