弟じゃない弟と、秘密の2人暮らしはドキドキに溢れてる。
「あ、上がって!お母さん出張で1ヶ月家にいないんだけど」

「うん、聞いてる。母さん忙しいんだね、昔は働いてなかったのに」

「お父さんと離婚して働かざる得なかったんだよ」

「あー」

どうぞどうぞと玄関から家の中へ、お邪魔しますって一歩踏み入れた真白が私の隣に並んだ。

少し見上げるようにして、首を傾ける。  

「ん?どうかした?」

「あ、荷物!荷物ってこれだけ!?運ぼうか!?」

「ううん、大丈夫。リュックとボストンバッグで全部だから」

「そ、そっか」

並んだ時、ちょっとびっくりしちゃった。

私より全然背高いんだもん。

いや、それはあたりまえなんだけど。

私の記憶は8年前で止まってるから、こんなふうに大きくなった真白のことは知らないから。


なんか…、変な感じだ。


「駅前すごい変わってたね、おしゃれなカフェとか出来ててさぁ」

「あ、可愛いよねあそこ!エッグベネディクトがおいしいんだよ!」

「食べ物もおしゃれかよ」

廊下を真っ直ぐ進んでリビングまで案内する。この町は初めてじゃない。

8何前も真白はここにいた。


だけど、この家はー…

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