任侠☆バイオレンスラブ
白石 芽依 side
目を覚ますと、見覚えのない場所にいた。
ここ・・・兵頭組じゃない、知らない場所だ。
そう思って体を動かそうとした時、体が縛られていることに気が付く。
「っ!?」
状況が飲み込めず、何とか縄を解こうと動く。
だけど、ぐるぐる巻きにされてるせいで拘束は解けなかった。
なに・・・何がどうなっているの・・・?
「起きたか。あの薬はよく効くな」
「!!」
声のした方を向くと、そこには以前浜松組の若頭だと教えられた時に見せてもらった写真の男そのものだった。
つまり、この人が・・・浜松組若頭・・・!!
「・・・なんのつもりですか?」
「なぁに。ちょっとお前さんに興味あっただけや。あの兵頭組の若頭が心酔してるっちゅー奴にな」
警戒していると、樹さんの名前が出てくる。
樹さんが、私に対して心酔・・・?
そんな事ある訳ない。
「顔は──まぁまぁやな」
そう言って、私の目の前に座って頬を掴んで顔をグイッと近付けられる。
縛られているせいで抵抗もできずにされるがままになってしまう。
「一目惚れって訳でもなさそうやけど・・・具合がいいんか?」
「っ・・・」
頬から手が離されたと思ったら、今度は縄の縛られた上からお腹を触られる。
ゾワッとしたものが背筋に走り、嫌悪感を抱く。
言わんとしたことを、理解してしまったからだ。
「何言ってるんですか。そんな事、樹さんはしません」
体をよじりながら触れている手をなんとかよかし、言葉を紡ぐ。
樹さんがそんなことするわけない。
「なんや、あの男手ぇ出しとらんのか。純情やのう」
「そもそも前提から違います。樹さんは私に対してそんな感情持ってません」
だって・・・私が一方的に想っているだけだもん。
そんなことあるはず・・・ない。
「なーに言ってるんや?そんな事あらへんやろ。さてはお嬢さん鈍感か?兵頭の若頭が飛んで来るで。今に見てることやな」
「・・・そんな事・・・」
心底不思議そうにしている浜松組の若頭に対して語尾が弱くなる。
だけど・・・ある訳ない。
だって、樹さんには大事な人がいるって言ってたもん。
それが私なはず・・・ない。
そう考えている時、ポケットに入れていたスマホの着信音が鳴り響く。
「ん?・・・ウワサをすれば何とやらやな」
私のポケットからスマホを取りだして画面を見るなり、したり顔でスマホを操作した。
「はい、こちら浜松組ぃ」
『芽依は無事か!?』
「この声・・・樹さん・・・!?」
スピーカーモードになっているようで、電話先で慌てているような・・・怒っているような声色の樹さんの声が聞こえてくる。
その声を聞くなり、面白そうなことを聞いたと言わんばかりに笑い出す浜松組の若頭。
「ハハッ、氷の男と言われたお前のそんな声が聞けるとはな。面白いわ」
『ごちゃごちゃうるせぇ!!芽依は無事なんだろうな!!』
「あんたの姫さんは“今の所”無事やでー。ま、お前さんが来るまで無事かどうかは知らんけどな」
電話をしながらチラリとこちらを見ながら樹さんに話す浜松組の若頭。
まぁ、頬触られたりお腹触られたりしたけど、怪我もしてないし・・・無事は無事だ。
『手ぇ出したらただじゃおかねぇぞ!!』
「そう言われると手ぇ出したくなるわ」
「っ・・・!?」
そう言って、私の方へと1歩ずつ近寄り始める浜松組の若頭。
これから起きることを想像してしまい、思わず身震いしてしまう。
『そいつは残念だったな。芽依は返してもらう』
樹さんのその言葉が聞こえたのと同時に、周囲に煙幕のようなものが漂い始める。
視界が悪くなり、何も見えなくなってしまった。
な、何が起きてるの・・・!?
目を覚ますと、見覚えのない場所にいた。
ここ・・・兵頭組じゃない、知らない場所だ。
そう思って体を動かそうとした時、体が縛られていることに気が付く。
「っ!?」
状況が飲み込めず、何とか縄を解こうと動く。
だけど、ぐるぐる巻きにされてるせいで拘束は解けなかった。
なに・・・何がどうなっているの・・・?
「起きたか。あの薬はよく効くな」
「!!」
声のした方を向くと、そこには以前浜松組の若頭だと教えられた時に見せてもらった写真の男そのものだった。
つまり、この人が・・・浜松組若頭・・・!!
「・・・なんのつもりですか?」
「なぁに。ちょっとお前さんに興味あっただけや。あの兵頭組の若頭が心酔してるっちゅー奴にな」
警戒していると、樹さんの名前が出てくる。
樹さんが、私に対して心酔・・・?
そんな事ある訳ない。
「顔は──まぁまぁやな」
そう言って、私の目の前に座って頬を掴んで顔をグイッと近付けられる。
縛られているせいで抵抗もできずにされるがままになってしまう。
「一目惚れって訳でもなさそうやけど・・・具合がいいんか?」
「っ・・・」
頬から手が離されたと思ったら、今度は縄の縛られた上からお腹を触られる。
ゾワッとしたものが背筋に走り、嫌悪感を抱く。
言わんとしたことを、理解してしまったからだ。
「何言ってるんですか。そんな事、樹さんはしません」
体をよじりながら触れている手をなんとかよかし、言葉を紡ぐ。
樹さんがそんなことするわけない。
「なんや、あの男手ぇ出しとらんのか。純情やのう」
「そもそも前提から違います。樹さんは私に対してそんな感情持ってません」
だって・・・私が一方的に想っているだけだもん。
そんなことあるはず・・・ない。
「なーに言ってるんや?そんな事あらへんやろ。さてはお嬢さん鈍感か?兵頭の若頭が飛んで来るで。今に見てることやな」
「・・・そんな事・・・」
心底不思議そうにしている浜松組の若頭に対して語尾が弱くなる。
だけど・・・ある訳ない。
だって、樹さんには大事な人がいるって言ってたもん。
それが私なはず・・・ない。
そう考えている時、ポケットに入れていたスマホの着信音が鳴り響く。
「ん?・・・ウワサをすれば何とやらやな」
私のポケットからスマホを取りだして画面を見るなり、したり顔でスマホを操作した。
「はい、こちら浜松組ぃ」
『芽依は無事か!?』
「この声・・・樹さん・・・!?」
スピーカーモードになっているようで、電話先で慌てているような・・・怒っているような声色の樹さんの声が聞こえてくる。
その声を聞くなり、面白そうなことを聞いたと言わんばかりに笑い出す浜松組の若頭。
「ハハッ、氷の男と言われたお前のそんな声が聞けるとはな。面白いわ」
『ごちゃごちゃうるせぇ!!芽依は無事なんだろうな!!』
「あんたの姫さんは“今の所”無事やでー。ま、お前さんが来るまで無事かどうかは知らんけどな」
電話をしながらチラリとこちらを見ながら樹さんに話す浜松組の若頭。
まぁ、頬触られたりお腹触られたりしたけど、怪我もしてないし・・・無事は無事だ。
『手ぇ出したらただじゃおかねぇぞ!!』
「そう言われると手ぇ出したくなるわ」
「っ・・・!?」
そう言って、私の方へと1歩ずつ近寄り始める浜松組の若頭。
これから起きることを想像してしまい、思わず身震いしてしまう。
『そいつは残念だったな。芽依は返してもらう』
樹さんのその言葉が聞こえたのと同時に、周囲に煙幕のようなものが漂い始める。
視界が悪くなり、何も見えなくなってしまった。
な、何が起きてるの・・・!?