エーデルワイスの月海さんに気をつけて
 帰り道華やかな大通りを軽やかに歩く。いつも寄るアイスクリーム屋さんが、笑顔で迎えてくれるはずだった。


 しかしそんなに甘くはなかった。


「えっ! 本日臨時の定休日!?」


 看板に描かれてるメニューが今はとても、残酷に見える。――私の好きなキャラメルアップルパイが……!


「うう、もう生きていけないよぉ」

 
 呆れたような顔をする友達の顔が思い浮かぶ。閉まったままの店でめそめそしていたら、男の人の声がした。


 「じゃあ、俺んとこの店に来ます?」

 
 いくらなんでも軽すぎるでしょ…………と後ろを振り返る。

< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop